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くらしの健康診断
2024年04月24日 [くらしの健康診断]

施設見学の際に〜良い施設か見分けるポイント〜

施設見学の際に〜良い施設か見分けるポイント〜
みなさん、こんにちは!
司法書士の清水です。
当所では常時50名近くの方の被後見人(任意後見含む)の生活サポートをしているノウハウを活かし、有料老人ホームを探されているご本人やご家族のご相談に応じることがあります。
先日のブログでは「有料老人ホームなど施設を探す前に考えておいたほうがよいポイント」をお伝えしました。
当所では認知症などで判断能力が低下した人に代わって成年後見人として施設選びを行うことも多いです。有料老人ホームを探す際には、ご本人の意向、生活歴、身体状況、資産状況をふまえたうえで、紹介会社の方とともに複数の候補先を見学しています。
これまでの経験をもとに、今回は施設見学に行かれた時に、どのようなポイントで見学したほうがよいかをまとめてみます。



1.施設に入ったときの第一印象
@しつらえが整えられているか
施設の顔でもあるエントランスや入居者が集うリビングや食堂などの空間が明るく居心地の良い雰囲気に整えられているかです。
立派な家具や高級な調度品でゴージャスな雰囲気を演出していることが良い施設の印象に直結するわけではありません。
入居者がレクリエーションで作った創作物、季節を感じるような花やお雛飾りや端午の節句など季節の行事にちなんだ飾り物は目を引きます。
レクリエーション活動はスタッフにとって手間暇がかかることなので、人員配置ギリギリのところはやりたくてもなかなかできません。
また、季節を感じる花や飾り物は、外出がままならない入居者の方にとって季節の移り変わりを肌で感じることができる身近なものです。しかし、スタッフが目の前の介護に追われているような施設だったら、スタッフたち自身も季節の移ろいに目を向ける余力がないかもしれません。
創作物同様、季節感を演出できているかによって、その施設の人的余裕の度合いがわかります。

A掃除が行き届いていているか
建物や設備の新古は関係ありません。床の食べこぼしをそのままにしていたり、廊下の隅やあまり使用頻度の高くない来客用のトイレにホコリがたまっていたりなど、ちょっとしたことです。
しかし、「神は細部に宿る」という言葉もあるように、見えないところやちょっとしたところに手を抜かず、きちんと丁寧に一つ一つ行っているかが大切な気がします。

B臭い
私が後見人として活動し始めた20年前くらいは、食堂の食べ物やトイレの臭いなど生活臭や生活臭を消すための消毒の臭いなどが気になる施設もありました。
最近では、コロナウィルスやインフルエンザ予防のために換気を行ったり、ノロウィルス対策で嘔吐物やオムツを適切に処理したりなど大多数の施設がしっかりした対応をとられているため、臭いを感じることがなくなった気がします。


2.施設長の考え方や想い
施設長のケアに対する考え方や入居者に対するホスピタリティは実際にケアを担当するスタッフに多大な影響を及ぼします。
特に有料老人ホームの場合は、法人によっては施設長の転勤が頻繁なところがあるので、施設長の考え方によって運営の仕方が変わる場合も多いです。
被後見人の入居先のある施設では、施設長が変わったらスタッフ間の報連相がうまくいかなくなり、被後見人の急な入院の際の連絡が滞るなど実際に困った経験があります。
仮に施設長が転勤になった場合も運営が滞らないように、現場の要である介護主任やケアマネジャー・相談員がしっかり役割を遂行できるような体制になっているかもあわせて確認する必要があります。

3.スタッフの立ち居振る舞い
時間に追われ仕事をしている施設スタッフの何気ない立ち居振る舞いに目がゆきます。
例えば、来客者に対する挨拶、対応の仕方などのやりとりだけではなく、入居者への声掛けやコミュニケーション、介助の仕方は注視しています。
忙しい中でも入居者からの問いかけに足を止めてきちんと答えていたり、自身が対応できない場合は別のスタッフに取り急ぎ引き継いだりされている様子をみると安心します。
特にスタッフ同士できちんとコミュニケーションをとれていれば、連携ミスでのヒヤリハットや介護事故が防げるのではと推察できるからです。


4.入居者の平均年齢、男女比、介護度、入居期間の平均
1〜3についてはどちらかというと五感を研ぎ澄まして情報収集にあたることですが、4についてはデータ的なことです。
入居者の平均年齢や男女比は、被後見人の方の属性をマッチするか必要なことですし、入居期間については、期間が長く、介護度が重い人もいる場合は終の棲家として安心だからです。