くらしの健康診断
2024年05月15日 [くらしの健康診断]
揉めない相続@:相続で揉めるのはどんな家?
みなさん、こんにちは!
司法書士の清水です。
当事務所は2001年開業からこれまで2000人以上の方々の「くらしや住まい」に関するご相談やサポートをしてまいりました。
ここ数十年の間に、日本社会は少子高齢化が急速に進み、また家族の有り様も大きく変わりました。それに伴い、ご親族が亡くなって相続手続きが必要になったときに、相続人である全員で遺産の分け方を話し合う(遺産分割協議)が進まない、話し合い自体ができないケースも増えています。
当所の場合は相続トラブルなど紛争性のあるケースについては、主宰している11の士業グループ「LTR」の弁護士とともに対応しています。
これまでの経験をもとに、揉めない相続と題して、今回は「相続で揉める傾向のあるケースと相続手続きがスムーズにできないことでの問題点」についてお話をします。
@第一順位・・・・配偶者と子がいる場合
それぞれ遺産の2分の1ずつを相続する。
配偶者がいない場合は子のみが相続人となる。
子がいれば、父母や兄弟姉妹は相続人になれない。
A第二順位・・・・子がいない場合
子がいない場合は、配偶者と直系尊属が相続人となり、配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1を相続する。
B第三順位・・・・子も直系尊属もいない場合
子も直系尊属もいない場合は、配偶者と兄弟姉妹が相続人となり、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1を相続する。
どのようなケースが揉めるのでしょうか?
1. 親族同士が疎遠になった
例)
・進学や結婚を機に実家を離れてから、親とは連絡をとりあっていたが、兄弟姉妹間では連絡をとりあっていなかった。
・実家から独立して以来、盆暮れ正月に親族で集まる機会がなかった。
・親と同居していた兄弟姉妹に親の介護の何もかもすべてを任せっぱなしにしていた。
・単身のため頼れるのは自身の兄弟姉妹だったが、先に亡くなってしまい唯一の近親者の甥姪たちとはほぼ付き合いがなかった。甥姪たち同士も交流がなかった。
2.親族関係が複雑になった
3組に1組が離婚し、結婚する人のうち4組に1組が再婚という状況です。そのような時代ですから、血縁関係のない親子関係が増えています。
こうした親族関係においては、戸籍を追うことで初めて、その存在がわかった親族や、名前は聞いたことはあるけれど相続人になるまで顔をあわせたことのない親族がいても当たり前です。
また、昨今では外国に移住する人も増えているので、相続人が外国にいる場合は、その国の法律に則った形式で書類を集める必要がでてきます。
3.相続権を主張しやすくなった
長男が全財産を相続する戦前の「家督相続」の時代と異なり、今は相続人であれば法定相続分を主張できます。
例えば、配偶者と子がいる場合の法定相続分は2分の1ずつで、子が2人の場合は4分の1ずつと平等に主張できます。
しかし、一方だけが親の介護の末、看取りまで行ったことに負担を感じていた場合は、介護をしていなかった人にも同じ相続の権利があることに不満を覚えるかもしれません。
2019年7月1日の「相続に関する民法の規定の改正」により、相続の権利がない親族であっても介護や看病に対しての報酬を相続人に請求できるようになりました。(特別寄与料)
注)相続の権利がない親族とは
6親等内の血族、配偶者、3親等内の親族で、相続の権利がない人
このように相続権を主張しやすくなったことで、遺産分割協議がまとまらない場合も増えています。
例)
・親族仲がさらにギクシャクしてしまい、今まで以上に疎遠になってしまう可能性があります。
・相続トラブルが長引き調停等裁判手続きが必要になった場合は、金銭的にも精神的にも大きな負担がかかってしまいます。
・相続登記をしないと権利関係が複雑になります。不動産を売却できなかったり、不動産を担保にお金が借りられないなどの不利益が生じます。
・相続税の申告が必要なのにもかかわらず、手続きができないと延滞税がかかってしまいます。
注意)2024年4月〜相続登記の義務化が始まりました。
自身が相続人であることを知りかつ所有権を取得したことを知ったときから3年以内に相続登記を申請しなければなりません。
司法書士の清水です。
当事務所は2001年開業からこれまで2000人以上の方々の「くらしや住まい」に関するご相談やサポートをしてまいりました。
ここ数十年の間に、日本社会は少子高齢化が急速に進み、また家族の有り様も大きく変わりました。それに伴い、ご親族が亡くなって相続手続きが必要になったときに、相続人である全員で遺産の分け方を話し合う(遺産分割協議)が進まない、話し合い自体ができないケースも増えています。
当所の場合は相続トラブルなど紛争性のあるケースについては、主宰している11の士業グループ「LTR」の弁護士とともに対応しています。
これまでの経験をもとに、揉めない相続と題して、今回は「相続で揉める傾向のあるケースと相続手続きがスムーズにできないことでの問題点」についてお話をします。
相続は誰がするの?
親族だからといって、誰もが相続できるわけではありません。相続の優先順位が法律で決まっています。@第一順位・・・・配偶者と子がいる場合
それぞれ遺産の2分の1ずつを相続する。
配偶者がいない場合は子のみが相続人となる。
子がいれば、父母や兄弟姉妹は相続人になれない。
A第二順位・・・・子がいない場合
子がいない場合は、配偶者と直系尊属が相続人となり、配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1を相続する。
B第三順位・・・・子も直系尊属もいない場合
子も直系尊属もいない場合は、配偶者と兄弟姉妹が相続人となり、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1を相続する。
相続で揉める家の傾向
「揉めるほどの財産がないから、大丈夫だろう」と皆さん考える傾向があります。しかし、遺産の多い少ないは関係ありません。どのようなケースが揉めるのでしょうか?
1. 親族同士が疎遠になった
例)
・進学や結婚を機に実家を離れてから、親とは連絡をとりあっていたが、兄弟姉妹間では連絡をとりあっていなかった。
・実家から独立して以来、盆暮れ正月に親族で集まる機会がなかった。
・親と同居していた兄弟姉妹に親の介護の何もかもすべてを任せっぱなしにしていた。
・単身のため頼れるのは自身の兄弟姉妹だったが、先に亡くなってしまい唯一の近親者の甥姪たちとはほぼ付き合いがなかった。甥姪たち同士も交流がなかった。
2.親族関係が複雑になった
3組に1組が離婚し、結婚する人のうち4組に1組が再婚という状況です。そのような時代ですから、血縁関係のない親子関係が増えています。
こうした親族関係においては、戸籍を追うことで初めて、その存在がわかった親族や、名前は聞いたことはあるけれど相続人になるまで顔をあわせたことのない親族がいても当たり前です。
また、昨今では外国に移住する人も増えているので、相続人が外国にいる場合は、その国の法律に則った形式で書類を集める必要がでてきます。
3.相続権を主張しやすくなった
長男が全財産を相続する戦前の「家督相続」の時代と異なり、今は相続人であれば法定相続分を主張できます。
例えば、配偶者と子がいる場合の法定相続分は2分の1ずつで、子が2人の場合は4分の1ずつと平等に主張できます。
しかし、一方だけが親の介護の末、看取りまで行ったことに負担を感じていた場合は、介護をしていなかった人にも同じ相続の権利があることに不満を覚えるかもしれません。
2019年7月1日の「相続に関する民法の規定の改正」により、相続の権利がない親族であっても介護や看病に対しての報酬を相続人に請求できるようになりました。(特別寄与料)
注)相続の権利がない親族とは
6親等内の血族、配偶者、3親等内の親族で、相続の権利がない人
このように相続権を主張しやすくなったことで、遺産分割協議がまとまらない場合も増えています。
相続手続きがスムーズにできないとどうなる?
相続手続がスムーズにできないことで、トラブルが下記のような更なるトラブルに発展し、解決までに時間を要してしまうことがあります。例)
・親族仲がさらにギクシャクしてしまい、今まで以上に疎遠になってしまう可能性があります。
・相続トラブルが長引き調停等裁判手続きが必要になった場合は、金銭的にも精神的にも大きな負担がかかってしまいます。
・相続登記をしないと権利関係が複雑になります。不動産を売却できなかったり、不動産を担保にお金が借りられないなどの不利益が生じます。
・相続税の申告が必要なのにもかかわらず、手続きができないと延滞税がかかってしまいます。
注意)2024年4月〜相続登記の義務化が始まりました。
自身が相続人であることを知りかつ所有権を取得したことを知ったときから3年以内に相続登記を申請しなければなりません。