幸せ!家族診断

問題解決のための処方箋:家族全体に焦点を当てたアプローチ

司法書士法人あいおい総合事務所では、2001年開業からこれまで2000人以上の方々の「くらしや住まい」に関するご相談やサポートをしてきました。
これまで培った経験を通して、個々の家族メンバーが抱える問題は家族内の人間関係やこれからの生活に大きく影響を及ぼすことから、他の家族の問題と切り離して別個に捉えるのではなく家族全体に焦点を当てた包括的な解決策を提案できるように留意しています。
家族全体に焦点を当てたアプローチ
例)認知症のお母さまの成年後見の申し立ての相談ケース
実家でお母さまと長男にあたる40代のお子さまが同居してきたため、厳密に生活費を分けているわけではなく、実は親御さんの年金をあてにして生活してきました。

実家から嫁いで他県に暮らしているご長女の方から長男は20代に精神疾患を患ったことをきっかけに会社を退職してから20年近くひきこもっている状況にあり、お母さまは「もしも自分に万が一のことがあったら、長男の生活が心配でならない」と聞かされていたものの、どうしていいかわからなくて誰にも相談してこなかったことが明かされました。

認知症のお母さまは家事や自身の身の回りのこともままならなくなっているので、長女と相談したところ老人ホームへの入居を検討することになりました。
しかし、預金も少なく、今後の療養費を捻出するために実家の売却も視野にいれないといけないこともわかりました。
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解決策の考え方
このようなケースの場合はお母さまの成年後見の申し立てを単純に行えばよいというわけではありません。
お母さまの問題を他の家族から切り離して考えるのではなく、同居している長男のその後の生活設計なども踏まえて解決策を考えていく必要があります。
長女とともに長男にこれからひとりで生活していくことが不安にならないように、まずはお金とサポートしてくれる人についての制度を利用しようと粘り強く説明したところ、本人もその必要性を理解してくれました。
ケアプラザの社会福祉士にもかかわってもらえるように手配し、生活費を確保するための障害年金の手続きや相談支援事業者をまじえて障害福祉サービスの使い方を説明してもらいました。

以上のようにお母さまの成年後見の相談をきっかけに、家族全体へと視野を広げて問題を捉えることで、他の家族が抱える問題の発見そして解決へと導くために一歩前進することができました。

ちなみに認知症や障がいなどで判断能力が低下している人をサポートする成年後見人(保佐人・補助人)は家庭裁判所から本人に対して選任された援助者であるため、ご本人の子・兄弟姉妹・親などの支援が必要になった場合でも、ご本人の以外のサポートは原則できません。

このような制度上の限界を超えるためには、司法書士法人あいおい総合事務所では家族を一つのまとまりとして捉え、個々の問題と見なさずに、家族全体の問題として捉えた上で制度にしばられずフレキシブルな立場でご家族をサポートしています。

自分らしい家族をデザイン:家族診断の必要性

個々の家族メンバーの問題が他の家族の幸せにもつながっていくことから、家族全体をみわたして、生活課題や生活リスクをチェックする必要があります。

価値観や生き方の多様化によって、これまで当たり前とされてきた進学、就職、結婚、出産、退職などライフイベントの考え方やあり方が変わってきました。
それに伴い、配偶者をもたず親や兄弟姉妹などとの生活を続ける、結婚して独立する、結婚しても子どもをもたない、妊娠・出産を機に仕事を辞めず一生仕事を続けるなど家族の様相も多様化しています。

そのような時代だからこそ、既存の家族のイメージや枠組みにあてはめず、それぞれの家族の今の生活を見据え、これからの生活展望や希望について考えてみましょう。
家族診断の必要性
家族にとっての幸せとは何ですか?5年後や10年後にどんな生活をしたいですか?

まずは、自分らしい家族の在り方や理想のかたちをデザインし、それを実現するために問題になりそうなことをチェックしてみましょう。

幸せ家族診断 チェック表

人間関係
親子それぞれの今の生活状況をお互いが把握できていない
これからの親のくらしのことを家族で話し合えていない
家族仲が良くないので介護や老後について家族での話し合いや意見調整が難しい
子供との関係がギクシャクしているので、老後の生活をサポートしてくれるか不安
いざというときどこに相談したらいいかわからない
信頼できる相談先がない
家族の問題・課題解決を先延ばしにしている
幸せ家族診断:人間関係
終活
いざというときでも、自分1人で全てなんとかできると思っている
老後に不安があるが何もしていない、何をすれば良いか分からない
子どもに負担がかからないように、前もって相続やお墓のことを考えておきたい
身近な頼れる親族がなく(関係性が疎遠、兄弟姉妹が高齢、遠方に住んでいるなど)、いざというとき助けてくれる人がいない
子どもに迷惑をかけたくないので、墓じまいや永代供養を考えたい
家族のトラブルを抱えているが遺言を書いていない
自宅の不要な家財道具を処分したい
幸せ家族診断:終活
お金
家計のマイナスが増えてきたので、これからどのようなお金(医療・介護費、施設費用)がかかるか分からないから不安
親にどのような資産があるのか?まったく知らない
親の医療費・介護費、亡くなった際の葬儀費用の支払い方法を話し合っていない子どもから生活費や教育資金を援助してほしいと言われているが、自分たちの生活 も心配なので、どれくらい援助してよいか悩んでいる
子どもや孫に資金をどのように贈与すれば良いか分からない
老後の生活設計や資金計画を立てていない
有料老人ホームを探したいが、資金的に問題ないか不安
幸せ家族診断:お金
不動産
自宅の修理をどこに頼めば良いかわからない
家族の幸せのための不動産有効活用の仕方がわからない
自分が亡くなった後、子どもたちが実家をどのようにしたいのか前もって聞いてみたいが、兄弟姉妹で揉めたらどうしようかと話が切り出しにくい。
子どもに継がせたくない不動産(地方の空き家、相続登記未済、共有名義、未接道路地など) がある
自宅がいくらで売れるか知りたい
自宅を売却し、施設に入ることを家族に相談せずに1人で進めている
このまま自宅で生活できるか心配している
幸せ家族診断:不動産

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