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くらしの健康診断
2024年10月09日 [くらしの健康診断]

後見人のできること・できないことは?

後見人
みなさん、こんにちは!
司法書士の清水です。
当所では常時50名近くの方の被後見人(任意後見含む)の生活をサポートしているだけではなく、ケアプラザや区役所を通じてご親族様や社会福祉士などの方から成年後見に関するご相談に応じています。
中には「後見人をつけさえすれば、なんとかしてくれるのでは?」「家族の代わりに本人の面倒をみてくれるから楽になる」と後見人に多大な期待を寄せられている方も見受けられます。今回は一般的に「後見人ができること・できないこと」、「ご親族様にご理解・ご協力をお願いすること」をお伝えします。



後見人ができること
本人に代わって何でもできるわけではありません。本人の財産管理や契約、身上保護など法律行為に限定されています。

◆ご本人の通帳を預かり、高齢者施設や病院の医療費、衣類などの日用品など必要な支払いをご本人に代わって行う。

◆支払い、年金などの定期収入、役所からの社会保険の還付金など臨時収入それぞれの内容がわかるように収支簿に記録する。

◆入所先の施設や自宅などへ定期的に訪問し、ご本人の健康や生活状況に変化がないか見守りを行う。

◆必要に応じて、福祉や医療関係者と連携し適切な療養看護が行われるように支援する。

◆病院への入院や施設への入所の際にはご本人に代わって契約手続を行う。

◆施設入所後に、ご本人やご親族からの希望によりご本人の自宅(土地・建物)を売却する場合は家庭裁判所の許可を得て、ご本人に代わって不動産売買の契約および売却代金の受領を行う。

◆ご本人の死亡をもって後見業務は終了し、家庭裁判所への報告後に相続人に財産等を引き渡す。


後見人ができないこと(後見人の仕事ではないこと)

◆介護、掃除洗濯など身体的なケアや身の回りの世話をすること。→介護事業者へ委託となります。
※後見人は事実行為(本人の介護や世話など)を行う必要はありません。ただし、法律行為を行うために必要となる事実行為(施設入所の際の施設の調査・選定、契約の履行状況の確認など)については、行う必要があります。

◆ご本人が手術などを受ける場合に医療行為へ同意すること。

◆病院への入院や施設への入所時に保証人、身元引受人になること。
※後見人が就いていれば「不要」としてくれるところも多い。
※ご親族様にお願いする場合もあります。

◆本人がお亡くなりになった後の手続きを行うこと。
・未払いの医療費や介護費等の支払い  
・家財の処分、各種契約の解除
・葬儀や菩提寺への納骨・埋葬 
※別に「死後事務委任契約」を結べば対応できる。

◆ご本人の財産管理や契約など成年後見人のできる法律行為を超えること。
・本人に代わって株や債権を運用し財産を増やすこと。
・本人が所有している財産を贈与すること。
・本人に代わって婚姻、離婚、養子縁組を行うこと。

ご親族の方にご理解・ご協力をお願いしたいこと
下記は一般論です。
当所の場合はご親族の状況にあわせて柔軟に対応できるようにしています。
遠方にお住まいになっていたり、ご高齢で病気がちだったりして、お気持ちの上では協力したいのに実際にできない方がたくさんいらっしゃるからです。

◆ 後見人が業務としてできないことをお願いする場合があります。
・手術、延命処置の有無・看取りへの対応など医療行為への同意
ご本人(被後見人)が病院に入院したり、老人ホームに入所する際に文書での回答を求められる場合がありますが、後見人は回答をすることができません。
・保証人や身元保証人
ご本人が病院に入院したり、老人ホームに入所する際に保証人や身元保証人を立てることを求められる場合があります。
 
◆ご本人以外の支援は原則できません。
後見人は家庭裁判所から本人に対して選任された援助者です。ご本人の子・兄弟姉妹・親などの支援が必要になった場合でも、ご本人のため以外の支援は原則できません。

◆親族に対して生活費の援助や金銭の貸付はできません。
ただし、ご本人の財産によって生活を支えられている配偶者や未成年の子に対しては扶養義務があるので、不足分の生活費をご本人の財産から支出することは可能です。

◆ご本人の資産の詳細までは原則的に開示することができません。
後見人はご本人の資産の詳細まで把握し財産管理や契約などの法律行為を行います。
親族からご本人の資産状況について尋ねられることもありますが、ご本人の利益が最優先されるため、たとえご親族であっても詳細までお伝えすることは難しい場合があります。親族に財産を開示しなければいけない法律上の義務はありません。

◆ご本人の死亡をもって後見業務は終了しますので、その後の手続きは原則的に行うことはできません。
ご遺体の引取り・葬儀・埋葬、亡くなった後の家財の処分、各種契約の解除は、ご親族にお願いすることになります。

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